仕事柄、どんなビデオカメラが良いですか?と聞かれます。
最近のビデオカメラは本当に複雑で確かに悩ましいですね。
昔は8ミリビデオからスタートして(ハンディタイプ民生機)DVテープの時代が長く、そこから、DVD,HDD,SDカード、ブルーレイ….etc気づいたら、いろんな記録媒体になっている!
どれが画質が良いの?どれが安いの?どれが使いやすいの?
そんな疑問に答えます。電気やの店員や家電芸人みたいな偏ったお勧めでなくユーザーの立場にたったカメラ選びお伝えします。(本当は民生機詳しくないのですが・・)

現在のビデオカメラ市場は大雑把に3つに分かれると思われます。
1) テープ記録ビデオカメラ ・・・ DV、HDV形式のテープ記録
2) テープレスビデオカメラ ・・・ SDカード・HDD・DVD・ブルーレイなどに記録
3) スチールカメラ(写真) ・・・ 最近、増えてきた写真機に動画機能がついたもの
** それぞれの特徴・長所・短所は? **


1) テープ記録ビデオカメラ
ビデオの王道ともいえる基本仕様で、ハイビジョン時代にもHDVというテープ記録で対応しているので画質も〇 ところが、最近は市場から消えつつあります。
なぜかメーカーも販売店も敬遠しつつある。

<長所>
DVテープという媒体がとにかく気軽に使える。後に編集を考えた場合、使いやすい。アーカイブとして保存するにもテープはコスト面、運用面で一番簡単。
<短所>
市場が縮小しており、将来が不安。テープはノイズが出やすい。ハイビジョン記録はできるが、フルハイビジョン(1920*1080px)は不可。

2) テープレスビデオカメラ

テープレスと呼ぶのさえ古臭い、現在のメインストリーム。記録媒体もSDカード,HDD,DVD,BDなどなど豊富。業務用も増えてきたくらい安心感も増してきた。

<長所>
テープがいらないので、コスト面・環境面でも優れる。テープのようにノイズがでない。編集の際にテープのように取り込みに実時間かからない。すぐにPC上でデータ化して編集できる。
高圧縮・高品質の動画データにてフルハイジョン収録も一般的。
<短所>
とにかく編集の手間がかかる。SDカードなどは長時間撮れないので、いちいちPCのHDDに移さなくてはいけない。HDD記録方式も外部保存が面倒くさく、ついつい皆さん溜め込みがち。
収録した素材をアーカイブとして保存するのはHDDかBDとなるので、コスト高。
収録は問題ないが、間違えて消してしまうとか、ファイル管理を間違えるとかヒューマンエラーが起きることも(テープ、フィルムといった物理メディアは壊さない限りなくならない)

3) スチールカメラ
スチルカメラ、いわゆる写真機でビデオを撮影します。以前のおまけ程度のものでなく一眼レフカメラにも装備され、かなり本格的なものに

<長所>
画質は圧倒的にキレイ。被写界深度(ピントが合う範囲)が浅く映画みたいな奥行き感ある映像が撮れるように。この点では放送用ビデオカメラ(700万円)でもパパさんのEOSKiss(8万円程度)動画にはかなわない。
また、写真と両方撮るときカメラ1台で済むので、便利!
<短所>
もともと動画用に作られていないので、操作性が悪い。被写界深度が浅い為にピントが合いづらい。性質上広角なので、望遠に弱い。録音機能が弱く、音質はよくない。長時間撮影ができない。

次に画質を決めるポイントです。
おおざっぱにいう2つのポイントがあります。画素数とイメージセンサーの大きさとその数です。
<画素数>

ビデオは出力する映像の規格が決まっているのでSD規格(DVやDVDサイズで38万画素)とHD規格(地デジやブルーレイサイズで200万画素程度)の2種類があります。
現在はSD規格は選択肢としてはあまりないので、基本HD規格となります。
HDの中でもフルハイビジョン(1920*1080px)とハイビジョン(1440*1080px)
がありますが、フルハイビジョンにする必要はありません、たいした差はありません。
ちなみに放送用カメラHDCAMは1440*1080pxでフルではないし、地デジ放送もほぼフルではありません。

一般の方は高画素=高画質と思いがちなのですが、画素数はあまり気にしなくてよいと思われます。HDであればどれもよいと思われます。
余談ですが、以前DVカメラ(SD規格で38万画素)でメガピクセルです!って売り出していたカメラがありました。要は内臓の写真機能が100万画素を超えていたとのこと・・
動画録画機能とは何の関係もないのに。
メーカーはとにかく高画素をうたって商品力をPRしたいんですね。

<イメージセンサーの大きさとその数>

イメージセンサーの大きさは画質を決める大きなポイントなのにメーカーはこの点をPRしません。(どうでもよい画素数はPRするのに)カタログの仕様書にひっそりと表記してあります。だいたい1/4インチくらいとあるはずです。
このサイズが大きいと暗部に強く、像もくっきりして画質面は有利。デメリットはボディサイズが大きくなること、そして重くなること。
そして、そのイメージセンサーを3つ三原色をそれぞれ分離させる機種があります(3CCDや3CMOSと呼びます)これは色再現にすぐれさらに画質は良いので、プロ機はだいたいこれです。だからプロ機は大きく重いんですね。(無駄に大きいわけではないんです)
ちなみに、普通のビデオカメラで1/4インチくらいで、放送用で2/3インチですが、デジタル一眼レフカメラはその何倍もの面積があるので非常に画質が良く、被写体のまわりがボケやすい。最近のデジタル一眼動画のブームはこのイメージセンサーも大きさによるものです。
長々と理屈を書きましたが、結局どのカメラがよいのか
2つに分類しましょう。

普通のビデオカメラ ・・・ 発表会や運動会などこどもと離れたところでキチンと記録に向いている。
スチールカメラ ・・・ 旅行やお散歩などこどもとの距離が1メートルくらいのでの撮影に向いている。

価格に対しての各メーカーの性能差はあまりないので、この2つの用途を中心に考え、カメラ自体よりも三脚、マイク、レンズ(広角・望遠)など用途に合わせて付属品を足すことをお勧めします。
車をカスタマイズするようにビデオカメラも用途に合わせてセッティングするとうまく決まり楽しいですよ。逆にうまくいかないとストレスになります。

** 最後にお勧め **

自分はプライベートでSONY NEX-5を使っています。デジタル一眼レフカメラですね。ミラーレスという構造なんでコンデジみたいな小ささです。18mmの単焦点レンズなのでズームは使いません。子供は小さいので、いまのとこ十分、もちろん写真も撮りますし、価格も安く満足しています。
競合機種のパナソニックGF3もよいですね。

~ ビデオカメラは画質にこだわりたいなら ~


Canon iVIS HF G10
これはすごいですね。ほぼプロ機で通用する内容。なんで民生機なのか?というくらいのスペック、値段も10万きるらいだからキレイに撮りたい人にはお勧めですね。
王道SONY HDR-CX560V
ハンディカムという言葉を作った会社だけあります。性能が高い割にコンパクト。
イメージサイズも1/3インチとクラス最高峰。
ビデオカメラの世界ではSONYのブランドは王者のままです。
—- お勧めしないカメラ —-
それは3Dカメラ
いろんな考えの方もいますし、いろんな用途があるので、3Dもあるのでしょう。
しかし、ここはこどもメディア
お子様の成長を3Dで撮りたい方はいらっしゃるのでしょうか?
そして、こどもがその映像を見て気分が悪くなるものを見せたいでしょうか?
3Dはどうも無理やり消費を推進させたい意図を感じます。
これから家電店員さんが最新ですよとドヤ顔で勧めてくると思われますが、やはりお勧めできないですね。

この記事を書いた人

店長
店長
店長
映像制作その他メディア制作
こどものためのメディアにかかわり20年以上
毎年こどもにいろんな事を教えてもらう日々

■ 好きなものごと・・・こどもが笑っているとこ
■苦手なものごと・・・人のもめごと、戦争
■ 趣味・・・自然と戯れる・ドライブ

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